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この考えに呼応してウォーターフロントにある政府所有の広大な土地、とりわけ中心部にある土地が市場に解放される。オンタリオ州もまた中心部の重要なウォーターフロント機関の2カ所(家族向け旅行や娯楽用のオンタリオプレイスと、コンベンションセンター)を売りに出した。

 

民間部門は官庁の様々な入札などを通してこれらの機会に反応しはじめ、今のところ地方の投資家や海外投資家も興味を示している。二の入札はまだ完了していないが、トロント中心部のウォーターフロントに近い最も戦略的な開発ブロックがもうすぐ民間の手に渡るようである。

 

ウォーターフロント・リジェネレーション・トラストに関する限り心配はない。実際我々はこれを歓迎したのである。というのはトラストによって推進されたウォーターフロント開発の主旨は一般に受け入れられるようになったからである。ウォーターフロントヘのパブリックアクセスはうまく確保された。ウォーターフロント・トレイルも整った。後は遊歩道とウォーターフロントパークヘの連鎖性を高め拡大させるだけである。

 

トロント中心部のウォーターフロント地域は、千年祭の開催、その後のオリンピック誘致に向け、20億ドルから30億ドルの投資が現在見込まれている。同地域にあるより小規模なウォーターフロント共同体も、投資を分担し自分たちの計画を開始する手はずを整えている。

 

4 提案
カナダ人(トロント人)は日本の仲間に、その印象的なウォーターフロント計画と開発に何かを付加するとすれば、いかなる案を申し出るべきであろうか?

 

おそらく3つの提案があり、どの場合にも要点は日本の例に見いだすことができる。言い換えれば答えはすでに明らかに日本側の経験のなかにあり、より広くこれらが評価され応用される必要があるだけである。

 

またこれらの提案は、どのウォーターフロントの都市もその精神と特徴を表現し、独自の目的に従うべきであるという明確な認識と、強い確信に基づいてなされている。

 

4a スケール
最初のコメントは土地の埋立とウォーターフロント開発が進められている地域のスケールの巨大さに関するものである。東京や横浜などの大規模な計画は力強い自治都市を生み

 

 

 

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